山口県看護連盟の周南支部研修会で、下松中央病院の歯科部長、永原隆吉先生より「口腔内細菌コントロールによる感染防御」の演題で、口の中の衛生について講義を受けました。
永原先生は、最初の自己紹介の時、
「私の父親は、私が9か月の時に亡くなりましたので、母子家庭で育ちました。母親は看護師で、厳しい労働環境の中、歯を食いしばって、一生懸命、僕を育ててくれました。先ほどの藤井さんの話を聞いて、『うん、そうだった、そうだった・・・』 と母の苦労を思い出しました。
妻も看護師です。僕は看護師さんをいつも尊敬しています」
と言われました。
先生のお話の中で、心に残ったものをご紹介します。
* 歯科医師の仕事は、患者さんの歯の治療や、汚れを取るなどの口の手入れだけでなく、良好な口腔環境をつくる事。
* 歯科医師、歯科衛生士だけでは口腔衛生は追いつかない。
看護師、医師、介護士、言語聴覚士などとの連携が必要。
* 世界中で一番多い病気は歯周病。
「45歳以上の90%が罹っている」とギネスブックに載っている。
* 口腔ケア不足は、歯周病患者にハイリスク。歯を失う率が高くなる。
* cureとcareは違う。
* 人生80年の時代。人が人らしく生きるために、いかに歯を残すかがキーポイント。
歯磨きが一番大切。
* 唾液1㏄の中に、1億の細菌がいる。歯垢1gには1000億の細菌がいる。
6か月に1回、機械的歯垢除去を勧める。
歯ブラシは月に1回替える事。
* 非経口摂取の人は、唾液の量が少ないので抗菌作用がない。
よって、経口摂取する人より、口腔内細菌数が多い。
口腔内の乾燥対策が必要。
また、口腔内に細菌数が一番多いのは、起床時。
* 口腔ケアによって、インフルエンザの発症を防ぐことができる。
他にもいろいろなことを教えて頂きました。「身体の健康はお口から」。
また、歯の残存数が多いほど、医療費も少なく、認知症にもなりにくいと言われています。皆様も、歯医者さんには1年に2回、定期検診に行くことをお勧めします。