教育委員会で私が申し上げた挨拶です。
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表彰式で相談役としてご挨拶をさせていただきました。
この間のボランティアである労働力の提供もさることながら、この事業費について考えてみますと、苗の本数に、百数十円をかけて頂ければ、この事業の大きさがわかると思います。その上に、肥料代や腐葉土代などもかかっています。
しかしながら、今まで、市などの補助を受けずに、今日の受賞者の皆さんが、工面しながら、この事業を続けてきてくださいました。
そもそも、この花育を始めたきっかけは、12年前、当時、徳山花市場の隠地社長さんから、
「花が好きな子に悪い子はいないと昔から言うが、最近は家庭で花を植える習慣が無くなってきている。
子ども達に、花と緑に親しむ機会を提供し、大人になってからも花を身近に楽しむことができる意識を醸成したい。
また、次の世代の花農家の担い手の育成も視野に入れている。
児童や保護者の方と一緒に花を植えることができる小学校はどこかないだろうか?」
という相談を受けたところから始まりました。

第1回花育in櫛ヶ浜小学校
そして、2人で、この活動に「花育」と言う言葉を付け、私は、3団体と学校をつなぐコーディネーターとして動いてきました。
「花を植え、育てることによって、子どもたちの豊かな心、命を大切にする優しい心を育みたい」
また、「保護者と一緒に花植えをすることによって、共通の会話を楽しめる家庭をつくりたい」という花育の目的を定め、学校へ説明をし、協力をして頂いてきました。
そして、実際、花育を行ってみますと、最初は、「そこの花とって」と言っていた子供が、いつの間にか、「そこのお花とって」と変わる瞬間があります。
この時、子どもたちの心に、「愛でる・愛おしむ・慈しむ」などの気持ちが生まれてきたと、活動の成果を肌で感じることができ、とても嬉しく思います。
今では、PTAや地域の皆さんが、たくさん参加し協力してくださるようになりました。
また、教育委員会に置いては、教育長さんには、いつも一緒にお花を植えて頂いていますし、周南市の校長会で、学校の選定がなされるようになりましたので、感謝しているところです。
特に、平成21年に花育を行った桜木小学校が、その翌々年の「教育県民大会」において、「『学校の重点課題』として、『知育』『徳育』『体育』にプラスして『食育』『花育』の5育に取り組んでいる」
と言う活動報告をされましたが、その発表を私は会場で聞いており、驚きと共に、とても感激したことをよく覚えています。

岐山小学校からいただいたお礼のメッセージ
さらに、児童の皆さんからのお礼の言葉もたくさん届いています。
「学校が花いっぱいになり、とても明るくなりました。お世話してくださった皆さんに感謝しています。」
「花にも、人間と同じ大事な命があると、初めて知りました。いっぱい水やりをして、大切に育てていこうと思います」
「最初、関心がありませんでしたが、今回の花育で花に興味がわくようになりました。うちでも植えてみようと思いました」などです。
第1回目に参加した子どもたちは23歳になっています。既に親になっている人もいるかもしれませんが、きっと優しい親御さんになっていることと思います。
これからも、できる限り、この事業を継続していきたいと思っていますので、3団体に対し、温かいご指導ご支援を頂きます様、よろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございます。